七十にして醒む J0506

□「工夫詩外」という奥深い言葉を実践したい
陸游(南宋)が書いた晩年の詩観「示子遹」(漢詩)を紹介してもらいました。そこに書かれている、「工夫詩外(工夫は詩の外に在り)」という句に感激してしまい、今も頭から離れません。
詩外と言われるものが身についていないと、優れた良い詩は作れないので、そこに努力をはらわなければならないと言っているのでしょう。ということは、回り道だと思うかもしれないが、その大事なところを勉強することの方が、漢詩の技巧などをこらすより先決だと言われているのだと解釈しました。もしそのような詩を作ったとしても、ひとが感動するようなものにはならないだろうと。
一海知義(註)によると、詩はそもそも六芸の一つとされたもので、それを遊びの道具にするものではなく、お前が詩を勉強しようと思うなら、「努力を詩以外のところにそそぐべきだ」とある。
{詩外}:詩以外のことで、生活一般、正しい行動、正しい思想・考え方など
{工夫}:ものを行なうのに要する力や時間

□その一つとして、易経から宇宙の真理を学び始めた
10年以上前のことになりますが、易経に興味を覚えてかじってみたままで終わっていました。最近になって、安岡正篤翁の解説本にめぐり合い、少し勉強を始めています。とはいえ、たいへん難解なもので珍紛漢紛(ちんぷんかんぷん)だが、理解できないままも続けています。「門前の小僧習わぬ経を読む」ではありませんが、そのうち少しは解るようになるのではないかという甘い考えで続けているのです。
『易経』は、「思想・哲学」の書として、天地・宇宙の深遠な真理を説いているといわれており、一度学んでみたいと思うようになったものです。

そうしてもっと宇宙・この世の真実をもっと知りたいと思っていると、最新の科学・ニューサイエンスが書かれている書「叡智の海・宇宙」を知り、はまってしまいました。ホログラフィック宇宙論(仮説)、量子真空、人間意識の超個的(トランスパーソナル)な世界などなどを、ワクワクしながら読み解こうと努力を始めていますが、これも超難解です。
20世紀初頭は、宇宙は見えないエネルギー場エーテルに満たされているという考えは消し去られてしまったが、今や宇宙の真空は空っぽとは程遠く「量子真空」と呼ばれ、光・エネルギー他の伝達だけではなく、情報の側面が強いエネルギーと情報の海だと仮定することが、今や理にかなっていると科学者たちが言っているのです。

読み進めてみると、若い頃に少し勉強した「もう一つの世界(天外伺朗が「あの世(死後の世界ではない)」といっている暗在系」も、よく似たことをいっているのではないかと感じましたので、もう一度読み直そうと思っています。
☞ 天外伺朗 「ここまで来た「あの世」の科学」
(本名:土井利忠)元:ソニー取締役 CD、AIBOなどを開発した「超技術者」

【参考】
 「叡智の海・宇宙(アーヴィン・ラズロ著) Science and the Akashic Field an Integral Theory of Everything
… 物質・生命・意識の統合理論をもとめて
「ブダペストクラブ」を創設したシステム哲学者が提唱する新たな世界観
・つながりあう生命・心・宇宙
量子から銀河まで、無生物から人間まで、万物が示す驚くべき一貫性は何を意味しているのか?
・「情報とエネルギーに満ちた宇宙」という概念がどのように生まれたのか
~概念に含まれる基本的な要素を解説
この概念が今なぜ、物理学、宇宙論、生物学、意識研究という新分野において出現しているのか。
そして、相互結合し、情報を保存し、伝達する宇宙場(アカシック・フィールド)が存在するという革命的な発見。

□これからの人生で面白いことが待っていると信じて、偶有性とわからないことを楽しみに生きていこう
好奇心のおもむくままに回り道しながら行動する方法のことを、「キュリオシティ・ドリヴン」 の方法(好奇心主導型)というそうです。ゴールを設定せずに、好奇心のおもむくままに、道草・回り道をしながら、楽しむということは、一見は非合理・非効率に見えますが、当初の目的に縛られないので、心の余裕から自由で新しい発想やイメージうかんでくるという、遊び心を大切にして物事に取組んでいこうと思っています。
☞ 「東大物理学者が考える「考える力」の鍛え方(上田正仁)」で独創的な研究の進め方としてこのやり方が紹介されている。また、対照的な「ゴール・オリエンテッド」と呼ばれる目的志向型のアプローチは、目標(goal)を明確に定め、そこに向って最短距離を一直線に進んで行こうとする方法のこと。

👀 「知ってるつもり」「分かってるつもり」だと疑わなかった部分の”影”に真実が隠されていることは珍しくないだろう。