宇宙充溢偶成

宇宙充溢偶成

万年 擾乱 虚空籠  万年の擾乱(じょうらん) 虚空に籠む

潜在 形容 遍溢充  潜在(せんざい) 形容(けいよう) 遍く充ち溢れ

媒体 本源 揺宇宙  媒体(ばいたい)の本源(ほんげん) 宇宙を揺るがす

蒼冥 流動 物華濛  蒼冥 流動 物華(ぶっか)濛(くら)し

【通釈】

宇宙は、永い年月いつも乱れ騒いでいて、天空にむなしくつつまれている。

目に見えない存在もあらゆる状態も、いたるところにあまねくみち溢れている。

おおもととなる媒体の根元が、宇宙を揺り動かしている。

果てしない宇宙は、流れるように動いており、自然界の万物や景色は、ぼんやりと薄ぐらく存在しているようだ。

【語釈】

宇宙充溢 = 宇宙はみちあふれている媒体だ。

万年 = 一万年、非常に長い年月。

擾乱 = 入り乱れさわぐ。また、そのさま。

虚空 = 空、天空。空間。むなしいこと。

籠 = こめる。つつむ、包括する。いろいろなものをまとめて一つにする。

潜在 = ひそかにかくれていること、外に現れないで内にひそんでいること。

形容 = すがた、ありさま。状態。

媒体 = 媒質となる物体。情報の仲立ち、メディア。

本源 = 宇宙の、みなもと。根元。物事のおおもと。

蒼冥 = 果てしない宇宙、天地。

流動 = ながれうごく。うごきかわる。固定しないこと。

物華 = 景色、風景。自然界のすぐれた景色。物の光、かがやき。

濛 = もやもやとして薄ぐらいさま。物事がはっきりしないさま。

令和二年六月二十四日 20.07.09