未来を生きるヒント J0416
…「これからの未来を生きる君たちへ」 茂木健一郎より
℗01 「どうなるかわからない」という偶有性こそ生きる鍵である
{偶有性}とは、半分は決まっているけれども、半分はどうなるかわからないこと。少し難しく言うと、半分は規則的で、あとの半分は、偶然に左右されるということ。
どうなるかわからないからこそ、人生は楽しい。生き甲斐があるのではないでしょうか。
人間の脳にはもともと、変わることを支える力があることがわかっています。
人生は、自己自身を探し、脳の個性を発見する果てしない旅。色々なことを、実地にやってみないとわかりません。
℗04 自分の脳を変える一番いい方法は、「感動する」ということ 〇
感動することほど、人を変えることはない。逆に言うと感動は、人間を変えてしまう「創薬」です。
感動できるという能力、自分が楽器だとすると、その楽器をどれくらい大きく鳴らせるかで、人間の器が決まる。
℗05 人格を陶冶する、知恵を磨くのは一生をかけるに値すること
{陶冶:とうや} もって生まれた性質や才能を、円満に育てあげること。育成する、養成すること。
℗06 「釈迦の無記(むき)」 答えの出ない問題、一番大事なことは言わなくていい
答えの出ない問題は、修行する者にとって、際限のない議論に陥るだけで、何の利益にもならない。係るべきで ない、とお釈迦様は考へ、いくつかの質問に対し、答えを出しませんでした。これを無記といいます。
人が人に接する上でも、無記を貫くということが、本当に大事な態度だと思います…。
℗10 「全力でやっとできるところ」に設定された目標を、突破すれば強化学習が成立する
何か行動をした結果、脳がうれしさを感じ、ドーパミンという報酬物質が出たら、ドーパミンが出る直前にやっていた 行動が強化されるという、「強化学習」というメカニズムがある。
この報酬物質は、易しいことをやっていても、あまり出ません。難しいことを達成すると、出ます。
℗22 偶有性と向き合って生きる 〇
人世は「何が正解かわからない」 という真実をかみしめる。
人世は何が正解かわからないということを、もう一度、深くかみしめることです。自分の生き方でも、他人の生き方 でも、偶有性ということをもう一度、痛切に認識すべきなのです。
失敗は大きなチャンス、未来を変えるシミュレーション。自分を知り、未来を変える、またとない機会とすればよい。
他者と関わることで、偶有性を回復させる。
℗24 人生を何らかの目的で規定しない … 人生を「質入れ」しない
生きるということは何なのか、人生の目的は何なのか。
「空を行く雲の如く、流れる水の如く生きる。(南直哉)」というのはどういう意味か。それは、自分の人生を何らかの 目的で規定しない、ということです。また、「質入れする」という言い方をしている。
℗25 どんな人生の目的も、生きることの間尺に合わない
生きるということは必ず浮き沈みがあり、実はすごく苦しいこと。しかし、全部含めて、人生である。
{間尺に合わない} 割に合わない。
℗28 「いつもハングリー精神を持て、そして愚かであり続けろ」 スティーブ・ジョブズ Stay hungry,stay foolish.
日本人がなぜ、ここまで苦しい立場に置かれているかというと、ここ数十年、偶有性ということを避けて、避け続けて きたからだ。日本の風潮は、偶有性を封じ込めており、その縛りから解き放つことが必要。 ☞ 復活の契機
℗29 「根拠のない自信」をもつ … いかに自分の脳に植えつけられるか ◎
このことによって、私たちの脳のすべてが決まると言っていいと思います。~脳の動きのすべてが決まる。
℗30 若いから学ぶことができるのではない。学ぶことができる人が、若いのだ! 〇
☞「偶有性の海に飛び込め」 どうなるかわからないことをやってこそ、脳が元気になるからだ。
人間の脳はもともと、「何が起こるかわからない」という偶有性が大好きなのです。
新しいことに挑戦するのは、一番の健康法です。新しいことを学ぶことは、何よりのアンチエイジングなのです。
℗32 本物に触れて感動することは、追い求める人生の課題に発展することもある
感動というものは、きわめて巧妙に脳に傷をつけられることに喩えられる。傷が癒えるのには、何年もかかります。
℗33 理想的な状態は「フロー状態」、流れるように仕事をすること
脳科学の見地からいうと、「リラックスしているけれども、集中している状態」が一番力を発揮できるのです。
心身ともに伸びやかに、笑顔で集中しているようなときこそ、最大のパフォーマンスが発揮できる。
℗35 脳がアイドリングしている時間が大切
外から入ってくる情報をリアルタイムに処理していることも、脳にはいい。しかし一方で、自分の内側にあるものを大 切に育む時間もまた、大事です。
どこからか、自分の新しい生き方のヒントになるようなことが来ないかと、いつもアンテナを張っている感覚。
℗37 「自分はこうだ」と決めつけなければ、いつでも発展し続けることができる
脳には、オープンエンドという性質があります。決めつけによって、脳は発展をやめてしまう。
℗38 大事なこと、重要な決断が迫られたときには、2秒で決める … 正解など誰にもわからないのだから ☆
人間には、直観があります。直観というのは、なかなかすごいものです。
どこに行ったら幸せになれるかなんて、何の仕事が向いているかなんて、わかるはずがない。
本当に2秒でどう決めるかは、そのときまでに、どういう人生を生きてきたかという経験で、決まるのです。
℗39 自分が何者かを決めつけないこと … 〇
自分に才能がないとかは決めつけず、人生何が起こるかわからないという偶有性を楽しむということさえ覚えていた ら、これから先の人生で、絶対、面白いことが待っています。 ☞ この二つさえあれば、人生は大丈夫です。
何でもいい。そのわからないことが楽しくて、全力を尽くせるかが一番大事!
℗41 コミュニケーションと創造性がプロフェッショナルを作る
プロフェッショナルの仕事の原点にあるのは、いかに「他人のために」という多利性を考えられるかでしょう。
「みんなが喜ぶ」とは、普遍的に人間を捉えること、人々の幸せを自分なりに考えること。
℗43 「意欲のあるじじい」は最強だ … 心を開いて寛容さを持つことが大切になります 〇
創造性とはすべて、脳の中にあるものの組み合わせが変わって出てくるものです。
創造性とは「側頭連合野の経験 × 前頭葉の意欲」です。なぜ、年を取ると創造性が落ちてしまうかというと、この 掛け算からわかるように、経験の蓄積は豊富でも、意欲が足りないからです。
逆に言えば、「意欲のあるじじい」は最強です。
どのような体験がどう組み合わせを変えて、創造の果実になるかはまったく予想がつきません。自分にとって異質 に思えるもの、無駄に感じるもの、一見、無関係に見えるものが、思わぬ創造をもたらすことがあるのです。
創造性は過去の経験の結びつき。 その経験が多様であればあるほど豊かになる。
℗45 「いつ死ぬかわからない」という偶有性は、生きることを輝かせるのではないか ☆
偶有性を楽しむ、自分の人生で何が起こるかわからないことを楽しむ気持ちさえあれば、何歳になっても学べます。
℗47 気づくと日が暮れている遊びのように
偶有性を楽しんでいる状態の、最も高度なレベルは、子どものときの遊びです。無我夢中になって、気がつくと日 が暮れていたという、あの状態なのです。その時の気持ちを持っていられたら、独創的な仕事につながる。
℗48 正解のない問題こそ大事 〇
脳にとって大事な問題ほど、正解がないということです。 「いかに生きるべきか」には正解がない。
℗49 学問の究極の目的は、人の心がわかること … 心を読み取るということは、共感する能力以上の何かなのです
他人の気持ちがわかるためには、総合的な意味での学力がなければならない。
他人の心を読み取ることは、目に見えないものをありありと思い浮かべる想像力と関係している。そして、想像力を 豊かにするためには、やはり総合的な学力が必要です。知性、感性、そういういろいろなものが必要なのです。
℗51 踊れ! (Tanzen!) ニーチェは自分の身体や心など、すべてを使って踊れというのです ☆
生きることの軽さを取り戻すためには 「踊れ!」 ということ。 意味など問うな。
意味や意義というのは重力の魔であって、われわれを存在の重い基盤に引きずり下ろすものです。
最初から意味や意義を 考えると、自分の生命の躍動が失われてしまいます。ですから、踊ってみませんか。
℗52 意味など考えず、偶有性の海へ飛び込むこと … カオスをいかに楽しめるかが大切 ☆
そして、爽快なまでに打ち負かされること。それこそが、いまの私たちには必要なのではないでしょうか。