「易経」をかじっての驚き  F0128x

漢詩を始めた影響で「易経」をかじってみると、その凄さにたいへん驚かされました。
易経は、単なる占いの書ではなく儒教の「四書五経」の筆頭に挙げられる経書です。先々の変化を察し、未来を見通すことで、今何をすれば良いのかが分かるようになるということを教えています。それは、人生におこる様々な状況(一つの“時”)を、「卦(か)」として、六十四の物語とさらに六つの小話として書かれています。
易経は、「陰」と「陽」で「中する」ということを伝えるために書かれた書物ですが、そのことは論理学の弁証法的発展(正・反・合~止揚)で同じことが言われています。
また、「窮極(ピーク)」に達すると変化すると書かれていることは、カタストロフィー理論で言っていますし、「兆し」を感じることが重要だと教えていることは、未来学者Aトフラーが言っています。「乾為天」の卦で語られている龍の成長物語(~見龍、躍龍、飛龍~)は、日本の「守・破・離」という考え方を参考にしているのだろうと思われます。
また、ライプニッツが普遍的文字と称する二進法の構想は、易の六十四卦の並び方から確信を得たとも言われています。
日本でも西洋でも、多くのことが易経からヒントを得て学び取られて、影響を受けていることは間違いなく、思想の普遍性には驚くばかりです。
今後も易経や四書五経などを、漢詩のためにだけではなく、ひろく生きる指針として学んでいきたいと思っています。